ファシリテーターとしての活動
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- 5月18日
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更新日:5月25日
とってもご無沙汰しています。五月の下旬に入り、緑の眩しいとってもいい季節が今年もやってきました。
相変わらず大学講師としての仕事に多くの時間を割いていますが、今後これをさらに調整していく心づもりが出来ているせいか、今までのような焦りを感じません。そういう心づもりに至れた理由の一つは、ここ数ヶ月ほど「ファシリテーター」としての活動にこれまでより意識を集中してきているからだと感じます。
カナダに本部のある国際ファシリテーターズ協会(IAF)にプロファシリテーター(CPF)と認定されて四年になる今年の四月、「再認定審査」の時期がやってきました。そのための申請書類の準備が、この四年間のファシリテーターとしての振り返りの機会になりました。準備をしながら、「もっとファシリテーターをしていきたい」、「ファシリテーションの魅力と価値を伝えていきたい」と改めて感じたのです。
この二月に、四年ぶりに脱原発運動活動家の武藤類子さんをお迎えしてオンラインイベントを主催、ファシリテートしたことも大きな理由の一つです。その準備とイベントそのものへの関わり、ファシリテーターとしての自分の態度や関わりを振り返った時に、この四年間での成長を自分でも感じられました。
さらに、武藤類子さん、そして若者代表としてイベントに登壇してくださった松尾美佐紀さんから、私のファシリテーションについて以下のようなお言葉をいただいたことが本当に大きな励みになりました。
千津さんのファシリテーションスタイルは、まずゆっくりした静かな雰囲気がとても心地良いです。誰かの発表だけでなく、それを聴いて一人一人が味わう時間、生まれる思いと言葉、余韻が大切にされていて、とても良かったです。
このようなスタイルに慣れていないと、沢山話したくなる人、何かを強く批判したくなる人とかが出てきますが、上手に対処されていて、安心感がありました。
ー 武藤類子さんより
参加者それぞれが熱意をもって多様な意見を交わす中、松下さんは一切否定することなく、常に前向きな言葉で受け止めながら、場の雰囲気を和らげる緩衝材のような役割を果たされていました。
それでいて、対話が散漫になることなく、当初の目的に向かって着実に進むよう巧みに導くその姿は、まるで一本一本の糸を丁寧に紡ぐようなファシリテーションだと感じました。異なる意見をもやさしく繋ぎ合わせ、一本の流れに整えていくその手腕は、対話の場に温かさと一体感をもたらすとともに、確かな成果へと結実させました。
このような松下さんの卓越したファシリテーション力が、今後さらに他の対話や交渉、意思決定の場でも存分に発揮され、より良い世界へとつながることを心から願っています。
ー 松尾美佐紀さんより

このようなありがたいお言葉をいただいて、「これ、もっと生かしていきたい、使っていきたい!」と思ったのです。(ちなみに、このイベントでの類子さんと美佐紀さんの発表の様子はこちらからご覧いただけます。)
国際ファシリテーターズ協会(IAF)の定義するファシリテーションは「プロセスファシリテーション」であり、ワークショップやトレーニングといった「コンテンツ(中身)」を伝える役割はIAFとしては本来のファシリテーターではありません(でも一般的にはファシリテーターと呼ばれるため、ややこしいですが)。
そういった、本来のファシリテーションをする機会も少しずつ増えてきました。たとえば、ここデン・ハーグ市で知り合った様々なバックグランドを持つ仲間たちと始めたシードグループ・ザ・ハーグ Seed Group The Hague(英語のリンクトインページです)は、オープンダイアローグの手法をもとに、毎回テーマを決めてそれについて対話をする場としています。
ファシリテーターとして活動の場をさらに広げていくにあたり、四月にイギリスのバーミンガムで行われたIAFのイングランド&ウェールズ支部のカンファレンスでワークショップをしてきました。カンファレンスの参加者は主にファシリテーターとして活動している人たちですので、ファシリテーション仲間と知見や経験を共有し合う場にしたく、「多文化の集まりを真にインクルーシブな場にするためのファシリテーションスキル」を念頭にしたワークショップをしました(英語ですが、この様子を自身のリンクトインポストに書きました)。
つまり、プロセスファシリテーションをする場ではなかったのですが、このカンファレンスに参加した意味は何と言っても、ファシリテーターとして今後もやっていく、そしてさらにその活動を広げていくにあたっての大変力強い「自信」を得られたことです。
コンテンツのあるワークショップやトレーニングのファシリテーションに加えて、対話や会合のプロセスファシリテーションの場を今後さらに開拓してやっていきたいと思っています。
今月の「ファシリテーション週間」に合わせ、バーミンガムで行ったワークショップをオンラインで行っています。英語では5月15日に行い、新たな出会いと興味深い交流の機会になりました。
日本語版を5月23日に行いますのでご興味のある方はぜひどうぞ!こちらから参加申込も含めた詳細をご覧いただけます。

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