ニューズレター 2025年8月
自然とつながるセルフリーダーシップ

自然とつながるセルフリーダーシップ・サークル
イタリアンアルプスの麓でこれを書いています。リンゴやレッドカラント、ぶどうの畑に囲まれ、その向こうに広がる緑の山並みにはところどころ、険しい岩肌が顔を出しています。
この地域に入ってからすでに一週間ですが、こうして日々、緑色の植物を近くに目にし、まさにその息吹を感じながら新鮮な空気を思いっきり吸うことで、心と身体がどれほど癒されるかを痛感しています。
「自然の癒しの力」と一言で言ってしまうと何か使い古されたキャッチフレーズのようですが、忙しい普段の生活の中では、その力を分かっていても、なかなか自然の緑や青色に浸る、という余裕がないのではないでしょうか。
普段、オランダのデン・ハーグ市郊外に住む私は、広い水辺公園があったりと周りに緑が多く、割と日々自然に接している方だと思っています。それでも、ホームオフィスで数時間コンピュータの画面と睨めっこしていると、外へ出て一息入れることをつい後回しにしがちです。
そんな中、この春、家の庭が「ナチュラルガーデン」に生まれ変わりました。散歩に出るまでもなく、毎朝居間のカーテンを開けるだけで「わ〜!」っと目と心が潤います。庭に出ると静かな朝の空気の中、たくさんのマルハナバチが飛び交う音だけが聞こえます。
数年来あたためていたこの計画が実を結んだことで、仕事をはじめとした日々の活動をより「自然」に寄り添ったものにすること、コーチング、ファシリテーション、教師としての仕事にも自然を念頭に置き、自然と融合したものにしていきたいこと、を心新たにしています。そのうちの一つのプロジェクトが「自然とつながるセルフリーダーシップ・サークル」です。詳細は改めてお知らせしますので、ぜひお楽しみに!
卒業という節目
去る7月18日、講師として勤務する大学の学位プログラムの卒業式がありました。学位を受け取った学生たちの誇らしげな姿を見ていて、今回ばかりはなんだかとても感慨深い気持ちになったのは、この学生たちが一年生として入学した2021年の9月、私も彼らと一緒に「講師一年生」としてスタートしたからでした。
「応用科学大学の講師は基本的に何でも教えられるべき」というマネージャーの言葉に従い、縁もゆかりもなかった経済学などの科目から、国際公法や人権、異文化コミュニケーションといった「よしきた!」と感じた科目まで、本当に色々なクラスで教鞭に立った最初の年でした。マクロ経済学のイロハを、文字通り私と一緒に学んだ学生たちが卒業・・・彼ら一人一人の顔を眺め、思い出しながら、私自身にとっても一つの節目を迎えているなあ、という感覚がありました。
あっという間に丸四年がたった講師業。学生たちと一緒に「卒業します、さようなら!」というのではないのですが、私の中で、一から歩んだ講師としての道に一つの節目がきた、何かに終止符が打たれ、何かが変容し、さらに生まれ変わっていく、そんな節目を、今まさに迎えているような気がしました。
この九月からの新しい一年はまた頑張りたい、やっていきたい、そう思うのですが、その後はどうなるだろう?これからの、つまり五年目となる一年間は、講師としての役割と、「自然とつながるセルフリーダーシップ・サークル」をどう繋げていきたいか、改めて直感を大事に、自然体で、ゆるやかに、フローを大切にやっていきたい、とそんな気持ちがしています。