私にとっての「気候変動コーチ」とは
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- 2022年10月9日
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更新日:1月5日
去年の春なのでしばらく前になりますが、イギリスのコーチを中心とした「クライメート・チェンジ・コーチ」(直訳すると気候変動コーチ)というグループからインタビューを受けました。その数ヶ月前にこのグループが主催するウェビナーに何度か参加したので、それを通じていただいたご縁だったのです。
当時まだ私は国際機関に勤務していたので、コーチングの世界とは一歩離れた立ち位置にいるような気がしており、かえって気軽に受けることができたインタビューでした。あらかじめもらっていた質問事項を元に返答を考えてみた時間が、なぜ自分はコーチになったのか、なぜ気候変動とコーチングなのか、そういったことを思い巡らせてみるとっても貴重な機会になりました。
インタビューは英語ですがこちらで読むことができます。この内容を少しずつ日本語にしたいなあと思っていますので(そう思いながら一年以上たってしまいましたが!)、できたらご案内しますので読んでいただけると嬉しいです。
このインタビューからすでに一年半以上たっていますが、最近、私の考える気候変動コーチというものを、改めて考えて書いてみたいと思っていました。
これまでのブログ記事を読んでくださった方の中には、パーソナルコーチがアドバイスや助言をする人でないのなら、気候変動コーチも気候変動や環境保護活動について特にアドバイスや助言をする人ではないのだろう、とピンとくる方がいるのではないかと思います。
一方で、気候変動コーチという言葉から、その道の専門家が知識や経験の共有を通し、気候変動問題や環境問題の活動家やその卵を育てるコーチなのではという誤解が生まれる可能性も大いにありそうだと思っています。
私自身は気候変動のメカニズムやその対処法についての専門家ではありませんので、活動家やその卵たちに知識を伝授したり、具体的なアドバイスの言葉をかけるということは当然しませんし、できません。
国際関係の現場で働いた経験を織り混ぜながら、国際環境法の大枠やその歴史、国際機関や市民社会が担う役割について講義しながら学生と一緒に考える、という仕事をさせてもらっているので、そこから学んだり刺激を受けたりということは常にしています。
私の考える「気候変動コーチ」とは、自分自身も気候変動や環境問題に強い関心を持ち、これらの問題の解決に向けて何とかしたいと思い、何ができるかと模索し、試行錯誤しながら、その一方で、すでに行動を起こしたり起こしたいと思っている人をコーチングというツールを通してサポートしたいと熱望しているプロフェッショナルコーチのこと。そう考えています。
インタビューをしてくださった「クライメート・チェンジ・コーチ」グループの掲げるコーチ像とはもしかしたら違うかもしれないし、大して違わないかも知れない。それはそれとして、私自身は気候変動活動家、環境問題活動家の方々をプロのコーチとしてサポートしたいと思い、「気候変動コーチ」という名前にその思いを託しています。
私自身が長年現場経験を積んだ人道支援にせよ、あるいは環境保護活動にせよ、世の中を良くしたい、何らかの形で苦しんだり悲しんだりする人に寄り添いたい、その苦しみを和らげる力になりたい、未来に生きる子供たちのためにこの美しい地球をより良い形で残したい、そういうミッションを心に込めて日々活動する方達の闘志と情熱はとても尊いものだと思います。
その闘志と情熱が、時として激しい無力感、孤独感、疲労感として自分自身にのしかかってくることもあるということも私は良く分かっています。そんな経験を少しでも経たことのあるコーチだからこそできる形でのコーチングをしていきたいと思っています。

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