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考えを言葉にすると、見えてくるもの

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9月14日
読了時間: 6分
森の中の分かれ道
自分の道は、自分で選ぶ。

この夏、「考えを言葉にする夏のリフレクション・セッション」と題して、コーチング体験を普段の半額で提供する期間限定のプログラムを実施しました。


なぜ、単純に「コーチング体験セッション」としなかったのか。実は、そこには意図がありました。


「コーチング」という言葉を読んだり聞いたりした時に、どのようなものを思い浮かべるかは人それぞれです。必ずしも、コーチングとは何かを正確に理解している人ばかりではありません。そこで、「コーチング」という名前そのものではなく、コーチング体験を通して私が何を届けたいのか。そこに焦点を当てて名前を考えました。


私が考えるコーチングの力は、一人ではなかなかしない、あるいはできない「立ち止まって振り返る」というプロセスにあります。


「本当にそうだっけ?」

「どうしてこうなっているのだっけ?」

「なぜ、自分はこれについて悩んだり、モヤモヤしたりしているんだっけ?」


そんなふうに一度立ち止まり、自分の中にあるものを振り返ってみる。そこから、


「あ、そういうことだった!」という気づきが生まれ、

「これからこうしていこう!」という気持ちや自信を取り戻す。


私は、そこにコーチングの力があると思っています。


では、立ち止まって振り返ることは大切だし、必要なことだと頭で理解しても、なぜ一人ではなかなかできないのでしょうか。


「時間がない。それに、振り返っている時間があったら、どんどん先に進む方がいい」

一度立ち止まることは必要そうだけれど、そんな時間はとても作れない。そんな時間があったら、とにかく突き進んでみる方がいい。


あるいは、


「いつも考えていることだから」

いつもモヤモヤしていて、それについてはすでに色々と思ったり考えたりしている。だから、改めて話すことにどれほどの意味があるのか分からない。


でも、振り返らずにとにかく突き進もうとして、本当に前に進めているでしょうか。


どの方向に向かって、どんな軸をもって進もうとしているのかがはっきりしないまま、がむしゃらに進もうとしても、なかなか前には進みません。空回りして、余計なエネルギーを使っているようなものです。


また、いつも心の中でぐるぐると考えていることと、それを改めて「言語化」し、まるで目の前に置いて眺めるようにしてみることは、全く違います。


頭の中でぐるぐると思いをめぐらせていても、なかなかどこにもたどり着かないことがあります。もちろん、ある日突然、何かのきっかけで突破口が見えることもあります。でも、「言語化」することで、そのプロセスが一気に加速します。


「コーチング」という言葉にとらわれず、このように立ち止まり、振り返り、考えていることを言葉にする機会を提供したい。その力をぜひ味わってほしい。


そんな思いから、「考えを言葉にする夏のリフレクション・セッション」というタイトルにしたのでした。


終わってみると、本当に「今、この時」にコーチングを求めている方々とのご縁があり、とても濃く、意味のあるプログラムになったと感じています。


「言語化」の力

ほぼ全ての参加者の方に、ご自身の思いや感じていること、アイデアを言語化することの力を感じていただけたのではないかと思っています。


言語化すると、具体的にどんなことが起こるのでしょうか。


たとえば、これまで「こうしたい」と思い、そう信じてきたことについて、実は「もうやりたくない」のだと気づく。


「これはもう決めたこと」と思っていたことが、実は決めて終わっているどころか、まだ心の中に残っていて、自分が決めたと思っていた方向とは逆の方向に、本当は惹かれていたことに気づく。


さらに言葉にしていくと、なぜ「こうしたい」と思い込んでいたのか、なぜ「もう決めた」と思っていたのかも見えてきます。


そこには、自分でも気づいていなかった思い込みや、昔から「こうあるべき」として身につけてきた社会の価値観、物事の判断基準などが潜んでいることがあります。


たとえば、本当はもうやりたくないのに、やりたいと思い込んでいた。それは、「途中でやめるのは悪いことだ」「逆境でも、とにかく頑張ることが大事だ」といった価値基準に、自分が縛られていたからだったと気づく。


あるいは、「もう決めた」と感じていたのは、その方が楽だったからかもしれません。今までと同じ道をそのまま進む。それがいかにつまらないものであっても、慣れた道をそのまま進む方が楽です。惰性で進むこともできます。でも、本当は逆の方向に惹かれている。そちらにこそ、自分が本当にやりたいことがある。ただ、そちらへ進むためには、自分の殻を破る必要があるかもしれない。努力も必要になる。「あなたはこういう人」と自分を見ている家族に説明しなければならないかもしれない。それは面倒臭い。そんな気持ちが自分の中に潜んでいたことが、言葉にすることで見えてくるのです。


自分のナラティブ(物語)をつくる

ナラティブとは、一説には、語り手自身の視点や体験、感情に基づく「物語」や「語り」のことを指すします。英語では、「Stories shared from an individual's own life experiences」。自分自身の経験を通してつくられていく、自分自身の視点からの語り、といった意味でしょうか。


「考えを言葉にする夏のリフレクション・セッション」を終えて、私が強く感じたことの一つが、この「自分自身のナラティブ」についてでした。


私たちは、自分ではない誰か――先輩、親、友達、知り合い、そして「ロールモデル」だと思ってきた人たち――の考え方に、知らず知らずのうちに影響を受けています。


尊敬しているロールモデルの言葉や生き方、その人たちのナラティブに影響を受けるのは、ある意味、自然なことです。もちろん、彼らのナラティブから刺激を受けたり、励まされたりすることもあるでしょう。


でも、知らず知らずのうちに、自分のナラティブまでその人たちと同じようにしようとしてしまい、それによって自分自身ががんじがらめになってしまうとしたら、それは残念なことです。ロールモデルがたどった軌跡と、あなたの軌跡は同じでなくていいのです。むしろ、違っていていいのです。違うべき、とさえ言えると思います。


この役割のあとにはあれをして、その次にはこの学位を取って、あのくらいの年齢でこれをして……。

思いのほか、そんな「誰かの道筋」に縛られてはいないでしょうか。


本当にあなたがしたいこと。あなたが大切にしている(必ずしも、社会の価値観とは相容れない)価値観。そして、それに沿って本当に描きたい、自分自身の道筋、ナラティブ。


言葉にすることで、「自分に望んでいたことは、これだったのだ」と改めて気づいた方も多くいらっしゃいました。


それこそが、今回のセッションを通して私自身が改めて感じた、コーチングの力でした。


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